幽玄に導く琵琶の世界

琵琶曲は、語りと琵琶の弾奏が一体となった「語りもの」の一つです。物語を語りつつ、琵琶の弾奏がその情景や登場人物の心情を繊細な音色で表現する、1300年もの昔から続く日本の伝統芸術です。
このサイトでは私が長年取り組んできた琵琶曲について、その詳細と私自身の演奏を紹介します。
琵琶という名前は聞いたことがあるが、どのような音が出る楽器なのか、まだご存じない方。琵琶という楽器を見たり、その音色を聞いたりしたことはあるが、もっとよく知りたい方。琵琶曲で語られる物語やその背景・歴史をもっとよく知りたい方。一人でも多くの方々にこのサイトを通して、琵琶の魅力を感じていただければ幸いです。

Silvain Kyokusai Guignard シルヴァン 旭西 ギニャール

琵琶曲
ライブラリー

ギニャール 旭西が取り組んできた琵琶曲について、その歌詞の意味や曲のあらすじ、背景について知り、実際の演奏を聴くことができます。

より深く知る

日本の伝統的な楽器 琵琶を知る

琵琶は撥ではじく楽器で、起源は古代ペルシャとされています。中国を経て奈良時代に日本に伝来し、宮廷の雅楽や読経の伴奏に欠かせない楽器となりました。とりわけ盲僧が琵琶の伴奏で語る「平家物語」は人気を博し、日本国中に広まっていきました。これが「平曲」と呼ばれるようになり、今日の琵琶楽の基礎となっています。

琵琶の歴史と現状

BIWA

プロジェクトを知る

ギニャール 旭西

1951年、スイスきっての芸術家一家に生れる。1975年チューリヒ市立音楽院でピアノの教授資格を取得後、1983年チューリヒ国立大学でショパンのワルツ研究によって音楽学博士号を取得。同年琵琶の研究のために スイスから来日し、筑前琵琶の魅力に出合う。大学での研究のかたわら、2006年逝去した人間国宝の琵琶奏者、山崎旭萃(きょくすい)に23年間師事した。「旭西(きょくさい)」という雅号を持ち、琵琶奏者としても国内外で広く活動している。

PROJECT

プロジェクトについて

琵琶の素晴らしさを
世界へ発信する。

琵琶の素晴らしさを世界へ発信する。琵琶曲の魅力を国内外に伝えたいというギニャール・旭西と、彼の思いに賛同した大学の同僚らが20年以上の長きにわたり協力しあってまとめた成果がこのサイトに 結実しました。
初めに、琵琶という楽器の歴史、および筑前琵琶の特徴や演奏法、現状について述べたあと、22曲一つ一つの詞章の解釈やあらすじ、聴きどころを解説しています。すべてに英語、ドイツ語の翻訳がついていますので、日本の伝統音楽の一つである琵琶曲の魅力を全世界の皆さんに知っていただければ幸いです。

序文と謝辞

ギニャール 旭西のおすすめ演目

琵琶曲一覧

日本語本文凡例

日本語本文については、筑前琵琶橘流日本橘会監修・発行の教本第1~15集を底本とした。
但し節付けを省き、下記のように表記を改変した。

  1. (1) 漢字は常用漢字を用い、異体字は通行字体に改めた。
  2. (2) 踊り字は、「々」「ゝ」はそのままとし、「/\」は繰り返すべき文字を再度記した。
     (例)「つら/\」→「つらつら」
  3. (3) 拗音の「ゃゅょ」および促音の「っ」は小書きとした。
  4. (4) 仮名遣いは原文通りとした。
  5. (5) 振り仮名は、原文にあるものはそのままとし、原文にないものは現代仮名遣いのカタカナで補った。
  6. (6) 誤字は原則としてそのままとして注で指摘したが、特に断らず訂正した場合もある。
     (例)「鳴呼」→「嗚呼」
  7. (7) 衍字は削除した。
  8. (8) 脱字は〔 〕内に補った。